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数字で見る麻酔科医
Special.02
先輩医師のリアルVOICE
Special.03
活躍する女性麻酔科医

key person Interview

left北里大学医学部新世紀医療開発センター周生期麻酔・
蘇生学 准教授 加藤里絵さんにお話を伺いました。

Special.03
活躍する女性麻酔科医

“麻酔科医って、女性のよいところを活かせる仕事だと思ってます”
北里大学医学部新世紀医療開発センター周生期麻酔・蘇生学
准教授 加藤里絵(かとうりえ)

Q なぜ麻酔科を選んだのですか?

私のころは初期研修医制度がなかったので、医学部6年生のときに自分の進む科を決める必要がありました。でも私はやる気のない学生で、「この科で頑張ろう!」と思えるところが見つけられませんでした。それで、「この科は嫌い」「この仕事はしたくない」と消去法で消していって、最後に残ったのが麻酔科でした。麻酔科ってどんな仕事をしているのかよくわからなかっただけかもしれません(笑)。

 

Q 実際に麻酔科医になられてどうでしたか?

はじめは学生のときの不勉強がたたって苦労しましたが、すぐに麻酔科の仕事をとても面白いと思うようになりました。麻酔科の仕事の楽しさはやってみないとわからないですね。
とくに心臓血管手術の麻酔が好きでした。手術中は循環動態がダイナミックに動きます。前・後負荷と心拍数、心収縮力をうまく調節しないと循環を保てない患者さんが多いので、それに応じた循環動態を保つことも麻酔科医に委ねられます。さらに、経食道エコーによって麻酔科医が手術中のdecision makingに大きく関わることに大きなやりがいがありました。
やがて集中治療にも興味を持つようになりました。ICUでは術後の患者さんの回復過程を見守ることができたのと同時に、麻酔管理が、特に状態の悪い患者さんほど、術後に影響しやすいことを知り、自分の麻酔管理を反省するうえでとても大切な経験になりました。
それから、ICUではどんどん状態が悪くなる患者さんに治療をしてもすぐには回復せず、苦労することが少なくありませんでした。でも「病態が上向きなった!」とわかるときがあるんです。そのときの喜びは大きかったです。

 

 

Q 今はどのような仕事をしているのですか?

今は、産科麻酔を中心に仕事をしています。帝王切開術麻酔や無痛分娩、産後出血などの母体急変の対応をしていることが多いです。実は産科麻酔は私の一番苦手な麻酔分野で、麻酔科医になって10年を超えるまで避けていました。ある当直の夜、自分の知識と経験不足が原因で痛い目にあいました。その反省から一念発起して勉強し始めたのですが、それが私のライフワークになりました。
私が麻酔科を選択した動機も、産科麻酔を始めた動機も、決して胸を張れるようなものではないです。でも、こんなきっかけで仕事を始めても、今充実した麻酔科医生活を送っている人がいることも知ってもらえたらと思っています。

 

Q 女性医師としてどのようなことを感じますか?

私、男の子っぽいといわれることが多いです(笑)。それに女性医師というと、出産や子育てと仕事をどのよう両立していくかが取り上げられます。でも私はそれを経験していないのでこのコンテンツに登場するのがふさわしくないのかもしれません。しかし、私のことはさておき、様々な女性・男性スタッフと仕事をしながら感じることは、女性と男性は得意なことや視点が違うということです。得意分野や視点は広いほうが創造的なので、女性・男性それぞれが特徴を活かしていくのがよいと思っています。女性は周囲を見渡したり、細やかな気遣いが上手です。それは麻酔科医としてチーム医療に参加することや麻酔管理の質をあげること、職場環境を良くする上では大きなメリットですから、多くの女性医師に活躍してほしいと思っています。

北里大学医学部新世紀医療開発センター周生期麻酔・蘇生学 准教授 加藤里絵

北里大学医学部新世紀医療開発センター周生期麻酔・蘇生学 准教授
加藤 里絵(かとう りえ)

1992年 千葉大学医学部卒業、千葉大学麻酔科にて研修をはじめる
1993年 国立がんセンター中央病院麻酔科
1995年 千葉県救急医療センター麻酔科
1996年 千葉県こども病院麻酔科集中治療科
2000年 英国オクスフォード大学臨床医学部博士課程修了
2000年 千葉大学大学院医学研究院麻酔学領域
2003年 国立病院機構千葉医療センター麻酔科,集中治療室
2006年 埼玉医科大学総合医療センター産科麻酔科
2008年 東京女子医科大学附属八千代医療センター麻酔科
2010年 北里大学病院周産母子成育医療センター産科麻酔部門